最適なベッド&マットレスがかなえる「褥瘡フリー」の入院生活

2021.02.05

  • 床ずれケア
#製品活用事例 #オピニオンリーダーインタビュー
最適なベッド&マットレスがかなえる「褥瘡フリー」の入院生活

褥瘡対策において、医療従事者による的確なアセスメントとケアが大切なことは言うでもありません。しかし、特にハイリスクな患者さんに介入するためには、高性能なマットレスの活用も大切です。地方独立行政法人総合病院国保旭中央病院(千葉県旭市)は、約100台の「メーティスPROシリーズベッド」を導入し、エアマットレスの「ここちあ利楽(りらく)」「ここちあ結起(ゆうき)」と併せて患者さんの褥瘡予防に生かしています。同院で皮膚・排泄ケア認定看護師として働く加瀬昌子さんと越川綾子さん、褥瘡対策委員会のメンバーである理学療法士の川島康平さんに、詳しいお話を伺いました。

加瀬昌子さん、越川綾子さん、川島康平さん

ベッド×マットレスの相乗効果を狙う

――貴院の特徴と、「メーティスPROシリーズベッド」「ここちあ結起(ゆうき)」「ここちあ利楽(りらく)」の導入に至った経緯を教えてください。

 越川:当院は1953年に自治体病院として開設され、「すべては患者さんのために」という理念の下、地域医療を担ってきました。現在は、千葉県北東部から茨城県南東部を医療圏とする989床の総合病院に発展し、高度専門医療や24時間体制の救急医療を軸としながら、民間では対応が難しいような医療分野にも力を注いでいます。

 川島:2016年4月に地方独立行政法人へ移行し、より主体的な病院運営が可能になったことで、専門性の高いスタッフの増員や最先端の医療機器・設備の導入などにも積極的に取り組んでいます。こうした病院の方針が背景にあり、ベッドについても毎年新しいものを30台ほど更新しています。2020年に「メーティスPROシリーズベッド」(以下、メーティスPRO)を新たに30台導入したことで、当院では同製品を合計100台近く使っていることになります。

 加瀬:ベッドは整備課が、マットレスは褥瘡対策委員会が中心となって導入・管理していますが、足並みをそろえずに製品を選択すると、ベッドとマットレスがマッチしないものになってしまうかもしれません。両者の融和性を考慮して、ベッドとエアマットレスをケーブルでつないでプラスアルファの効果が期待できる、ベッドの動きにフィットしやすい製品を選ぶことが大切です。検討の結果、「メーティスPRO」に合わせることも想定して選択したエアマットレスが「ここちあ結起」「ここちあ利楽」の2種類でした。

 ――多機能なベッドを院内で広く活用する上で、教育や管理についてはどのような点を意識しましたか。

 加瀬:パラマウントベッド社に褥瘡対策委員会向けの勉強会を依頼し、実演を通して効果的な使い方を教えてもらいました。そこで学んだリンクナース(院内の各種専門チームと病棟看護師をつなぐ役割をする看護師)が伝達講習を実施することで、各病棟に知識や技術を浸透させていったというイメージです。人に教える経験を通して、講師を務めたスタッフたちが自主的に勉強し、成長していったことは見逃せない副産物だったと思います。

 川島:管理については、当院のオリジナルシールを活用しています。整備課が管轄することもあり、かつては「メーティスPRO」がどこにあるのかという情報が見えづらいことがありました。そこで、褥瘡対策委員会も積極的に管理に関わるため、まずは全病棟を巡回。「メーティスPRO」にはオリジナルシールを貼り、誰でも一目で分かるよう「見える化」していったのです。

 【オリジナルシールを貼付したベッド】

 【オリジナルシールを貼付したベッド】

越川:さらに、部署では、勤務室にあるホワイトボードを用いて、どの部屋に何を使用しているかを表示するようにしました。「メーティスPRO」の台数は限られているので、よりリスクの高い患者さんへ優先的に使いたいところです。使用場所や台数を明確に把握しておくことで「褥瘡リスクの高い患者さんがいらしたから、こちらの病棟に1台回してもらえますか」といった調整もスムーズになったと思います。

【調整用ホワイトボード】

【調整用ホワイトボード】

褥瘡スコアが大幅に改善した事例も

――パラマウントベッド社のベッドやエアマットレスを使うことで褥瘡が改善した事例があれば教えてください

 越川:特に印象に残っているのは、頸椎損傷の患者さん(70歳代、男性)です。予防的な処置はしていたのですが、疼痛があって体位変換が思うようにいかなかったこともあり、入院中に仙骨部の褥瘡が発生してしまいました(写真1)。介助用グローブを使用して除圧を続けていたものの、4週間後にはサイズも大きくなり、壊死組織も多くなったため、回診の依頼があり、褥瘡チームが介入することになりました(写真2)。

壊死組織を取り除くためデブリを行った後、川島さんの提案で背上げ時の体圧を軽減するために「メーティスPRO」と「ここちあ結起」を併せて使用することにしました。すると2週間後には、DESIGN-Rによる評価が21点から17点まで改善されたのです(写真3)。褥瘡サイズが小さくなっただけでなく、肉芽組織の評価が6点から0点になったことには驚きました。

1 、褥瘡発生当初  DTI疑い、サイズ3.5cm×2.5cm

褥瘡発生当初 DTI疑い、サイズ3.5cm×2.5cm

2 、発生から4週間後(回診依頼時に、デブリを行った後、

「メーティスPRO」と「ここちあ結起」を併せて使用開始、
介助グローブを使用して除圧)DESIGN-R:DU-e3s6i0G6N6P0=21点

2 、発生から4週間後

3 、発生から6週間後(「メーティスPRO」と「ここちあ結起」を併せて使用)

DESIGN-R:D3-e3s6G5N3P0=17点

3 、発生から6週間後

4 発生から7週間後(転院直前) DESIGN-R:D3-e3s3i0g0n0p0=6点

4 発生から7週間後(転院直前) DESIGN-R:D3-e3s3i0g0n0p0=6点

川島:頸椎損傷の患者さんは、呼吸状態や嚥下機能を保つ意味もあり、できるだけベッドアップする必要があります。「メーティスPRO」のカインドPLUSモーションを使うと、ベッドが傾斜して足側が低くなるため、椅子に座っているような自然な体勢に近くなります。それまで仙骨部にかかっていた体圧が殿部や大腿部に移ることで、高い褥瘡改善効果がみられたのではないでしょうか。

【標準型ベッドと「メーティスPRO」 背上げ時の体圧】

【標準型ベッドと「メーティスPRO」 背上げ時の体圧】

加瀬:実際に整形外科病棟では、食事の際などにカインドPLUSモーションを活用するケースがとても多いそうです。病棟看護師からは困ったら「メーティスPRO」を使うという声がよく聞こえてきて、より多くの台数を望むスタッフも少なくありません。

 川島:理学療法の観点からは、リハビリテーションに移行しやすくなったことも大きなメリットだと感じています。座位のような姿勢をベッド上にいながら実現し、重心位置を落として下半身を伸ばすことができるので、離床した状態とほとんど同じようにリハビリテーションを進めることができています。こうした点を上手に生かすことで、いずれは在院日数の短縮にもつなげられるだろうと期待しています。

――「ここちあ結起」と「ここちあ利楽」については、それぞれどのような魅力を感じていますか。

 加瀬:「ここちあ結起」については、やはり「メーティスPRO」との相性の良さですね。ベッドリンク機能を使用すると、特にずれやすい殿部や大腿部を、膨らんだエアセルが支えてくれます(3D機能)。座位になったときの安定性が極めて高く、褥瘡予防・改善のために欠かせない存在です。私自身、褥瘡回診のときに「この患者さんには『ここちあ結起』を使いたい」と思うことが多いです。今後は、より効果的にエアマットレスを運用するため、どんな状態の患者さんに対して優先的に使用するかというガイドラインのようなものを作成・周知できればと考えています。

 越川:「ここちあ利楽」については、個別の体重設定をする必要がなく、全自動で最適な硬さを実現できる点が一番の魅力です。誰でも簡単に使用でき、間違いも起こらないのがうれしいですね。また、ポンプがマットレス内部に収納されている点は、どちらのマットレスにも共通しています。特に大部屋の場合は、大きなポンプが外に出ていると患者さんやスタッフの動きを妨げてしまうことがあるので、細かいところですが意外に重要なポイントです。

 加瀬:なお、当院では5年ほど前から、パラマウントベッド社のエアマットレスのほとんどをジャパンエアマットさんからリースで導入しています。毎年1回メンテナンスしてもらえるので安全かつ清潔ですし、管理も安心してお任せできます。そうした部分に手間をかけずに済み、医療従事者としての本来業務に集中できるため、とてもお勧めです。

 【メンテナンス後マットレスの収納棚】

 【メンテナンス後マットレスの収納棚】

多彩な活用法がある「まもりたい」にも注目

――貴院では、スキンテア対策のディスポーザブル製品「まもりたい」も活用されているそうですね。

 越川:スキンテア(皮膚が脆弱な人に摩擦やずれなどの一時的な外力が加わることで生じる皮膚裂傷)対策の医療資材として、幅広い患者さんに使っています。サイズ展開が豊富で、適度なフィット感がある素材なので、ずれにくいのがいいですね。他社製品では使用中にずれていってしまうものが多い印象でした。また、患者さんに「まもりたい」を着用してもらうことで、スキンテアに対してスタッフ同士で注意喚起することにつながり、院内全体で意識が高まっているのを感じます。例えば、毎日の朝礼でスキンテア予防の呼びかけをリハビリテーション科が中心になって行うようになり、これが院内の取り組みとして最優秀賞を受賞しました。

 加瀬:通常のスキンテア予防以外の目的で使うことも少なくありません。例えば、ストーマヘルニアが生じてしまった患者さん。ヘルニアベルトは素材の硬いものが多く、皮膚にダメージを与えることもあるため、身体とベルトの間に「まもりたい」を挟むようにして使うことがあります。また、放射線治療後に潰瘍が生じることがあるのですが、首元などの場合は被覆材やガーゼを固定するために「まもりたい」がぴったりです。医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)予防のため、点滴などのルートが皮膚に当たる部分を「まもりたい」でカバーすることもあります。

 「まもりたい」の使用例

「まもりたい」の使用例

「まもりたい」の使用例

――最後に、新たなベッドやマットレスの導入を検討している医療機関の皆さんへ、メッセージをお願いします。

加瀬:当院では、医師と看護師で構成する褥瘡対策チーム、多職種が参加する褥瘡対策委員会、そして私のような専従の皮膚・排泄ケア認定看護師が3本柱となって活動しています。安心・安楽な入院生活を提供することで、患者さんのQOLを向上させることが最大の目的です。それを実現するためには様々な取り組みが必要ですが、優れた機能を備えたマットレスを導入・活用することは重要なポイントの一つです。自院の患者さんにどんなベッドやマットレスが適しているのか検討し、院内全体で使いこなせるよう調整することも、褥瘡対策を担う医療従事者の役割だと思っています。

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